フローリングの重ね張りとは?

フローリングの重ね張りとは?

フローリングの重ね張り(上張り)とは既存のフローリングの上から新しいフローリング材を重ねて施工する方法です。作業期間を短くできまた施工単価も比較的安く抑える事ができる人気の工法です。
今回は重ね張りについてのメリット、デメリットと実際リフォームする際の注意点をご紹介いたします。

重ね張りのメリット


重ね張りのメリットをいくつかご紹介いたします。

工期が短くなり費用も安く済ます事ができる

既存のフローリング材をはがさず工事を行う事ができるので解体工事分作業期間が短く済みます。また廃棄するゴミの量を減らすことができるので処分費用を抑える事が可能です。工事費用に目が行きがちですが広さによってはかなりの廃棄量が出ますので費用算出では見落とせないポイントですね。

工事の騒音が少なくトラブル防止

アパートやマンションですと下の階に住人がいます。通常のフローリングリフォームだと床材の解体などでどうしても騒音が出てしまいトラブルが起きる可能性があります。重ね張りであれば既存の床の解体工事を最小限にできるので騒音も比較的抑えて工事を行う事が可能です。また施工中にでるホコリも少なく別の部屋を汚す事が少なくなるのもメリットですね。

下への防音効果が期待できる

重ね張りは既存の床材の上に新規床材を張るので工事後は2重の床が出来上がります。
下の階への騒音が気になるアパート等では防音効果が期待できます。また床暖房対応の重ね張りフローリングもあるので床暖房があるお部屋でも安心して施工することができます。

手軽に部屋の雰囲気を変える事ができる

お部屋に入ってまず目に入るのは壁紙と床。壁同様面積も多い事から違った床材に変えるだけでお部屋の雰囲気をガラッと変えることができます。

重ね張りのデメリット


メリットばかりをお伝えしてきましたが重ね張りの工法にもデメリットがあります。

段差ができる

重ね張りは既存の床材の上からもう1枚張るので当然厚みが増します。この段差を解消するのに使われるのが『床見切り』ですが色々なところにあると見た目的にもあまりよろしくありません。想像していた完成と違った、、とならないように施工例等を見せてくれる業者さんを選ぶことをおススメします。

ドアなど建具の下部に干渉する可能性がある

元々床とドアなどの建具の隙間が狭い場合は床が上がる事で干渉してしまう可能性があります。
扉が空かなくなったり擦れて傷ついてしまうなどのリスクがあります。
上張りをする前にドア下の隙間をよく確認して判断しましょう。
一般的なフローリングは12~15mm程度ですが干渉してしまう場合は1.5mm程度の薄い材料を選択しましょう。

床下の状態を確認することができない(劣化に気付けない)

通常床の張替えは既存の床をはがすことから始まりますのでその際に床下の状態も目視で確認することができます。床下の異常の例としてシロアリ被害、水漏れ、地盤沈下等どれも建物にとっては致命的なダメージになる物ばかりです。上張りの工法は見た目上とても綺麗になりますが、こういった下地の部分の問題を見逃す可能性があります。築年数の古い建物、過去災害にあった建物などは床下の確認を行った方が良い場合があります。

床が腐食している場合は補修が必要

既存の床が腐食をしている場合は重ね張りの前に補修作業が必要です。
そのまま重ね張りも作業としては可能ですが数年後に床の不具合でせっかくのリフォームも台無し。
施工前にはプロにチェックを依頼しましょう。

基本的に既存の床材がフローリングの時にのみ施工が可能

フローリングの重ね張りは基本的に既存の床もフローリングの時にのみ施工が可能になります。
オフィスなどで良く見られるカーペットに上からフローリングを重ね張りすることはできません。

重ね張りを行う際の注意点

上記重ね張りのメリット、デメリットをいくつかご紹介してきました。それらをふまえてこれからフローリングの重ね張りリフォームを行う際に何に気を付けたらよいでしょうか。

段差ができることを事前に理解しておきましょう

例えばキッチンとリビングが続いているお部屋の場合リビング箇所だけ重ね張りを行うと当然キッチンとの間に段差が出来てしまいます。見切り材やスロープを設けるなどで対策は行いますが見栄えも考えて事前に完成を想定しておきましょう。

床の下地に痛みが見られたら要注意

既存の床に腐食などの痛みがみられたら先にその部分の補修などを検討しましょう。床鳴りがある場合はフローリングの重ね張りだけでは解消はされません。下地の劣化で鳴る場合も多く解決にはまず下地の補修から行う必要があります。重ね張りしてから再度はがす事にならないようにリフォーム時には解消したい事をプロに事前に相談しましょう。

まとめ

上記のようにフローリングの重ね張りにはメリット、デメリットがどちらもあります。ただ事前にデメリット部分を把握して問題を解決できれば重ね張りによるリフォームは費用を抑えながら家の雰囲気をがらっと変えられるとても良い施工方法です。どういった事を解決、実現したいかプロと相談しながら進めていけるとより良いリフォームができます。